秋永邦洋「存在/不在」2022年8月4日~8月31日

2022. 08. 04

展示情報

ユーザー
受験生 / 在校生 / 卒業生 / 企業・一般の方 / 保護者
コース
グラフィックデザイン / デジタルデザイン / イラストレーション / プロダクトデザイン / インテリアデザイン / マンガ / コミックイラスト / アニメ / フィギュア / 絵画 / 版画 / アクセサリー / 陶芸

美術・工芸コース(陶芸)講師 秋永邦洋先生 の個展のご案内です。

どうぞご高覧ください。

 

秋永邦洋 「存在/不在」 presence/absence

2022年8月4日(木)~8月31日(水)

※夏季休廊 2022 年 8 ⽉ 14 ⽇ ‒ 8 ⽉ 22 ⽇

定休⽇:⽇・⽉

開廊時間:10:00 – 18:00

会場:現代美術 艸居

〒605-0089 京都市東山区古門前通大和大路東入ル元町381-2

TEL:075-746-4456

FAX:075-746-4457

E-MAIL:info@gallery-sokyo.jp

 

プレスリリース

⾋居では、秋永邦洋個展「存在/ 不在」を開催いたします。弊廊では初めての個展となります。本展では、架空動物やその対極にある⾝近な動物を題材に「恒久⽣」と「儚さ」を表現した新シリーズ(第 ⼀部)と、これまでの⾻格シリーズである「擬態化」に更なる展開を⽰した作品(第⼆部)を展⽰いたします。本展では、コロナ渦で、スタジオという限られた⼀室に篭ることを余儀なくされた秋永が、さまざまな思考を廻らせ新しい⽅向性を⽰した作品群を2部⽴で展⽰いたします。

 

第⼀部

近年は、架空動物をモチーフに制作することが多くなりました。それは現実と⾮現実、⼈と動物など様々な境界が曖昧になっている様に感じるからです。― 秋永邦洋 ⽇本で古来から神聖視されてきた獅⼦や鳳凰といった架空動物と、その対極の存在である⻑年ペットとして愛されてきた⽝や猫などの⾝近な動物をモチーフに、近年薄れつつある存在と不在の境界線の 曖昧さを具現化しようと試みる秋永。我々の暮らす社会は、溢れる情報に覆われ実態が⾒えにくくなっています。またネットを介して仮想世界と接することのできる現代社会では、⽬の前に広がる世界 が果たして現実なのか、或いは⾮現実なのかうまく判別がつきません。⼀⽅で、⽬まぐるしい科学技術の進歩により、以前は⼈間の欲望の中でしか存在し得なかった空想上の出来事が現実になりつつあります。例えば近年話題を集める脳のデジタル化に関する研究。脳の情報をデータ化し保存することで、⼈間の死後、⾁体が不在でも擬似的にネットワーク上で存在し続けることが可能となるかもしれ ません。 存在とは何か?秋永の⼿掛ける動物たちを眺めていると、まるで彼らが現実世界に存在しているかのような錯覚に陥ります。本展を通して存在と不在、我々の従来の理解を改めて問う展⽰構成となって おります。

 

第⼆部

これまで秋永は「装飾の⼒」をテーマに「擬態化」シリーズの制作を続けてきました。過剰な装飾が施された教会や寺院など装飾的⽴体物から着想を得て作り出された作品は、脊椎動物の⾻格をモチー フに、⼿捻りで形成した⾻のパーツを⼀枚⼀枚積み重ねて形成されていきます。 実在するサルやヘラサギに加え、本展では初展⽰となる⿓やケンタウロスなどの架空動物を展⽰いたします。装飾する⾏為とは何か?装飾とは⼈間の欲望を満たす⾏為であり、物事の本質を偽装してしまう⾏為ではないかと秋永は考えます。化粧やアクセサリー、服飾、刺⻘など、美しく⾒せたい、強く⾒せたいという願望や虚栄⼼から⼈は⾃らを装飾します。動物を形作ると同時に死を表す「⾻格」と「装飾」を組み合わせることで「偽装と欲望」、「儚さ」を 表現します。クリスマスのチキンの持ち⼿についた飾りからは⾷事を楽しみたいという⼈間の欲望の恒久⽣が感じ取れ、⾷事が終わりゴミとなった⾻と装飾からは、⼈間の欲望を満たした後の儚さを感じ取ることができます。装飾が施されることで、動物の死は偽装され、動物の⽣と死、⼈間と動物の関係性が曖昧になっています。陶は割れなければ縄⽂⼟器のように恒久的に残存します。第⼆部 では、恒久⽣と儚さを持ち合わせる陶で表現された作品を通して、装飾というベールに覆われた物事の本質を探究していただければ幸いです。

 

秋永邦洋(あきなが・くにひろ)

1978 年⼤阪府⽣まれ。2001 年に⼤阪芸術⼤学芸術学部⼯芸学科陶芸コース卒業。2019 滋賀県⽴陶芸の森アーティスト・イン・レジデンスにてゲスト・アーティスト(〜2020)。主な個展は、2013 年 「擬態化」MEGUMI OGITA GALLERY(東京)、2016 年「偽装/装飾」新宿⾼島屋店美術画廊(東京)、2019 年「仮装」新宿髙島屋店美術画廊(東京)、2021 年「現実/⾮現実」⼤阪髙島屋ギャラリーNEXT (⼤阪)など。主なグループ展には、2019 年「Design Miami」(アメリカ)、2020 年「⼤集合!やきものどうぶつ」⼭⼝県⽴萩美術館・浦上記念館(⼭⼝)、2020 年「Message 現代陶芸コレクショ ン」兵庫陶芸美術館(兵庫)、2021 年「No Man’s Land」兵庫陶芸美術館(兵庫)などほか多数。 主な受賞歴には、2001年「朝⽇陶芸展」奨励賞、2009年「⻑三賞」⻑三賞、2011年「岡本太郎現代芸術賞」⼊選、2015年「マイヤー×信楽⼤賞」⾦賞など。主なコレクションには、INAX世界のタイル館(常滑)、ファエンツァ国際陶芸美術館(イタリア)、滋賀県陶芸の森(滋賀)、新北市⽴鶯歌陶磁博物館(台湾)、兵庫陶芸美術館(兵庫)、ミネアポリス美術館(アメリカ)など