西川茂君は、今回開催されているカフェ&ギャラリーのニュートロンの後押しで、 東京での個展、東京アートフェアーへの出品と、近年、関東でも その認知度を高めている、若手の人気アーティストになっています。 去年の大阪芸大主催のアートコンペティション「世紀のダ・ヴィンチを探せ!」では 銀賞 を獲得しています。 授賞式の様子はこちら → 2010年9月27日美専ブログ
西川 茂展 in between 2011年5月10日(火)ー5月29日(日) 11:00ー23:00(最終日は21:00まで) 期間中無休 neutron kyoto
 このニュートロン京都での個展も確か二度目だったと思います。 西川君の絵は主に風景、それも遠景からの風景が よくモチーフとして扱われます。 しかも、その風景の8割、場合によっては 9割が空であるような構図の取り方をよくしています。 その大きな空に一見、画面上の汚れか 埃か間違えるくらいの、トンボとヘリコプターが小さく小さく、 対比的に描画作品が印象的ですが、今回も そのシリーズの作品がいくつか並んでいます。
トンボだけを描くのなら、牧歌的風景なのですが、そこにヘリコプターが登場しただけで、 風景は一変、何か災害か事故が起こったかのような、あるいは上空からの攻撃を意味するのかなど、 現代的不安要素を画面から感じることになってしまいます。 西川君は、そうした現代社会の不安要因といった時代性を、いつも画面の中に取り込むことで、 単なる風景画とは違う、メッセージ性のある絵画の制作を続けています。
今回、個展のタイトルは「in between」 3種類ほどの アプローチの違った作品群が展示されています。 画面一杯に咲き誇る小さいマーガレットのような花畑の上空に、 トンボとヘリコプターの影が落ちている作品。
現在進行中だという、世界に存在する国の数203。 その数の分だけの空とそこに描かれているトンボとヘリコプターの作品、 これまでに完成している74枚が会場のメインに展示されています。 そして新しい風景の作品。それは、異なる場所の風景が 上下に逆転して描かれたものや、山岳の風景、 ニューヨークの公園の風景などがあるのですが、
 今回は空の部分に、抽象的な絵の具の筆触が、 画面の風景の造形的な関わりとは別次元のものとして、 違和感が残るように表現されています。
画面だけを見ると、それが何を表現したものかは 分かりませんが、彼の新しい思考の、 新しい作品のシリーズであることに違いありません。 今後どのように進展して行くか、とても楽しみです 投稿 : 絵画専攻教員 浜本隆司 |