2010年3月アーカイブ

「GALERIE  h20」南公二君の作品展を見に行きました。
場所は京都、富小路三条上がる、ビルの谷間の狭い間口を進んでゆくと、
奥まったところに、画廊と畳敷きの床の間も兼ね備えた空間が出現しました。
街中にもこのような画廊が有ろうとは、少し驚きました。

    南君は1999年に本校を卒業後、
    京都精華大学に編入学し、
    今は河内長野で制作しています。

    2008年には「酒の器展」で審査員特別賞
    「抹茶茶碗コンテスト」では奨励賞を受賞。
    昨年は「第3回 菊池ビエンナーレ」
    「夢の香気の蒸留器」という高さ75センチの大作で
    奨励賞を受賞し、近年意欲的な作品を発表しています。

    

今回の個展は「薄暮と古地図と多声音楽」をテーマに、彼独特の世界を展開していました。
スポットライトを浴びて繰り広げられる不思議な物語の世界。
植物とも動物ともとれるイメージが画廊全体を包み、
見る人それぞれが、何時か見たような風景を思い起こすような作品が展示されていました。

主役は陶器でできたマリオネット達。
不思議で魅惑的な世界、そして眼を閉じ耳を澄ませば、
いろいろな音色が、魅惑的な世界を楽しむ事が出来ました。

畳敷きの別室では、
酒器・花器・マグカップ・蓋物・お香立て、なども展示されており、
とくにお香立ては彼の作品のイメージをより膨らます雰囲気が有りました。

そして最後に作者は、
「今後はクラフトの方にも力を注ぎたいとのコメントでした。

    

  投稿者 : 陶芸専攻教員 伊藤均
 


白いキリンの登場!

2010年3月29日

 3月のとある週末、大阪市立美術館に出かけました。
 そこで開催されていたのは、「2010・ZERO展」

 主催のニューアートZERO会は、
 関西のメンバーを中心にした全国公募展美術団体です。
 創立年にちなんで、会の名称が決められたのだとか。

 年齢、国籍、国地域を一切問わず、
 平面、立体とも大きさは無制限という自由な発表の場を提供し、
 全国から様々な新しい息吹を感じる力作が集まっています。

 年々出品者および入場者が増えているとのことで、
 小雨混じりのお天気でしたが、かなりの人数が来場されていました。
 そんなたくさんの作品をひとつひとつ見ていくと、
 なんだか目立つ物体がいきなり目に飛び込んできました



なんと!白いキリン!!!
独特の雰囲気を醸しだし、その一角が不思議な空間に。
しかも何処かで見た名前。
何となくひっかかったまま、腰をかがめてじっくり眺めてみます。

作品の背後にぐるりと回り込んでも、
キリンのどの部分を見ても作りが丁寧で細かい。
はいている靴の中まで、きっちり作り込んであるんです。
相当な時間が費やされたであろうことが容易にわかります。

翌週彼を知る先生に聞くと、
 「そう、出品してたよ!で搬出と同時に、
  そのまま作品を抱えて実家に帰ったよー。」

 えーっ、そのまま???その発想がすごい
 そこで先生の了解を得て、
 小豆島にいる樋口聡くんに電話取材です。
 キリンのベストショットも提供してもらいました。

 この作品のタイトルは「期待と不安」
 本来のタイトル、「どきどきわくわく」を
 変更したのだそうです。

 ちょうど今年、彼が成人式を迎えたので、
 その自分の気持ちも含んでいて、
 だからキリンがスーツ姿なのだとか。
 寸足らずな首の短いキリンは、
 自分自身を表現したとのこと

  ZERO展へ自転車で搬入途中に休憩。哀愁漂う姿。

このキリンは去年の秋から作り始めて、制作期間は3ヶ月。素材は段ボールと、コピー用紙。
そんな手軽な材料でもこれだけの立派な作品ができるのですね。

樋口くんは普段から作品作りをしていて、
今も実家に帰ってバイト生活の合間に、動物をモチーフに立体をつくり続けているそうです。
彼のあつかう素材は幅広く、アクリル絵の具で絵を描くこともあり、銅版画もやります。
針金で立体をつくることも。もちろん専攻である彫金アクセサリーも怠りません。

実家と大阪を休暇のたびごとに、
行ったり来たりしながらも作品作りは中断しない。
何故かというと、いつも持ち帰るからです。
ほら!キリンもこうやって電車に乗ったりしてました

これは彼のブログを見てると、その制作過程がつぶさに分かります。
どれだけの時間を創作に費やしているか?
こんなつぶやきが印象的でした。
「睡眠せずに頭と体を休める方法はないのでしょうか。」

食事も忘れて作り続ける。そのエネルギーに脱帽です。
ほんとにわき出るような制作意欲。うまれつきの創作体質なんでしょうね。
ブログの中では多弁ではありませんが、多くのものが伝わってきます。
もちろん楽しんでつくっていることも十分わかります。
今後の彼の作品がものすごく楽しみです

樋口聡さんのブログはこちら → ACTION


卒業生の魚谷純平君から、深夜に突然のメールが届きました。
「夜分遅くに失礼します!先生!!
 4月に舞台決まりました!なので報告です。頑張ります!元気です!!」

  バストリオ 第1回公演 『原始人みたい』
  2010年4月3日(土)14:00/19:00|4月4日(日)14:00
  作/演出 今野 裕一郎
  橋本 和加子|小澤 薫|滝沢 佑果|魚谷 純平|児玉 悟之
  会場:千駄木 Brick-one  当日チケット:1800円 

魚谷純平君は大阪府、門真市生まれ。2007年、彫金アクセサリー専攻を卒業。
卒業後、鉄の工房 「TOOP DESIGN WORKS 」でお世話になり、100万人のキャンドルナイトにも参加。

しかし22歳になり、このまま彫金作家として鉄の道で経験を積むか、
憧れが強くずっとやりたかった役者として一から勉強するかを真剣に悩むこと一年弱。
2009年5月、ついに俳優をめざし東京に上京
(この時、車に荷物を積み東京へ旅立つ彼に偶然にも天王寺で遭遇!固く握手を交わし、熱い思いで見送りました。)

そんな彼が、今野裕一郎氏が主宰するユニット「バストリオ」の一員として舞台に立つことになったようです。
会場が東京の千駄木ということもあって、公演を観に行けそうにないのですが、大阪から応援しています
いつかの日か関西で、公演が行われることを楽しみにしています。

 
 チケット予約:こちら  
 問い合わせ:info@busstrio.com
 
 会場:千駄木 Brick-one 
    〒113-0022
    東京都文京区千駄木5-15-7
 
 当日チケット:1800円
 
 原始人みたい特設サイト:こちら     
 バストリオウェブサイト:こちら 





関東在住の卒業生の方々、時間があれば観に行ってあげてください。よろしくお願いします。
バストリオのウェブサイトを見ると、現在編集中の映画「生きている」にも名前を連ねているので、
今後の活躍が楽しみです 頑張ってください!

 投稿者 : グラフィックデザイン専攻教員 畑卓也 


さてさて皆さま…お待たせいたしました!
前回に引き続き、美専の卒業生、三浦麻莉子さんの活躍の様子をお届けします → 前回のブログはこちら
 
 福田屋さんのポップのほかにも、
 普段三浦さんが作っている作品をたくさん見せてもらいました。
 三浦さんの描くキャラクターたちはどれもつぶらな瞳で、胸がキュンとします!
 小さな動物たちや模様が細かーく描き込まれていて、
 引き込まれる魅力があります。

 三浦さんはハンバーガーをモチーフにした、さまざまな小物も作っています。
 食べるのは「普通」くらいだそうですが、その形や色使いがすごく好き!!
 なんだそうです。いつも持ち歩いているというノートも、
 ハンバーガー柄のテープをはったお手製ハンバーガーノートでした。
 三浦さんは、ノートを持っていないと落ち着かない、
 なにかひらめいたらそのノートにすぐに描くようにしているのだそうです。

自分の気になること、ひらめき、それは
モノづくりの原点であると思います。
それを自然と、いつでも逃さないようにしているんですね。
その姿勢、私も見習っていきたいです!

また、絵を描くときに『黒をできるだけ使わない』
という決めごとをしているそうです。
確かに、作品は淡く明るい色彩であふれています。
三浦さん自身も、柔らかな雰囲気の中にも
芯の強さを持ち合わせているように感じました

 今回、イラストレーション専攻の高安勲先生にも
 同席してもらったのですが、
 三浦さんは高安先生のことが大好き

 また、先生と教え子、旧知の仲ということで
 二人ともとっても楽しげです。
 癒し系の二人を見て、私の心も和みます!

 作品の評価、自分のイラストの売り込み方など、
 先生としてのアドバイス、そしてそれとは
 まったく関係のない日常の会話も織り交ぜながら、
 和やかに、そして軽やかにトークは進みます。


卒業してからも、こうして絵を描いたり作ったり、
創作活動を続ける三浦さんを見て、
「これからも彼女は成長していきそう、見守っていきたい。」と高安先生。

『絵を描くのも、雑貨屋さんでの仕事も楽しくて、毎日が楽しい!
今は福田屋さんを盛り上げていくお手伝いをしていきたいと思います。
作ったり、描いたりするのが好きなので、
これからも作品づくりを続けていきたいです。』
と三浦さん。充実した毎日を送っているのですね

話していて一番強く感じたのは、人の出会いの不思議さでした。
誰とどんなきっかけで知り合って、その糸がどこに繋がり
どこまで延びていくのか。そうして出会った人との絆。
出会いがどこにあるのか、人生ってわからないものですね…。

福田屋さんはご家族で経営されているそうで、その
アットホームな雰囲気が地域の皆さんに愛されるゆえんでしょうか。
美専のパンフレット『味本』にも、協力してもらっています。
美専生や職員もちょこちょこ訪れては、お菓子を買っていきます。

こだわりの餡を使用した名物、野根まんぢうの他に、
いちご大福やパイナップル大福など、季節を感じられる和菓子が盛りだくさんです。
三浦さんのイチオシは、季節限定のいちご大福
とよのか苺の旬な頃、11月下旬から5月初旬にかけて販売されます。
とてもジューシーでおいしいです!皆さんもぜひ一度 もちろん野根まんぢうもお忘れなく!

  


ブログ初登場の「GALLERY はねうさぎ」に、青木拳展「流転」を見に行きました。

 所は、「京の七口」の一つ、粟田口にあります。
 近くには、京都国立近代美術館や京都市美術館があります。
 近辺は「粟田焼」発祥の地であり、画廊からすぐの粟田神社の
 境内に石碑があります。一度行かれてみては?

 「京の七口」とは、2010年2月16日ブログの、
 「京の冬の旅ー陶芸専攻篇」を参照してください!→詳細はこちら

   

青木君は1993年に芸術研究科陶芸コースを修了し、今は信楽町で制作をしています。
第2回大韓民国世界陶磁器ビエンナーレ、第1回台湾国際陶芸ビエンナーレ審査委員賞、
2008年の第8回国際陶磁器フェスティバル美濃’08では金賞を受賞、
また滋賀県文化賞も受賞し、今注目されている作家です。

 今回の個展に際してのコメントは
 「陶器の始まりと終わりを考えていたら
 人間と宇宙のそれと同じでした」
と。

 彼自身この画廊では数回個展をしており、
 今回のサブテーマ「流転」は壁面に小さな土の
 かたまりを配置し、焼き損じた陶器の破片を
 山状に積み上げるインスタレーションでした。

 破片には一つ一つのヒストリーがあり、
 来場者の希望に応じて快くプレゼントする
 彼の人柄にも好感が持てました


「コンペとかショップでは実現しにくい表現を、今回挑戦した」と言う彼のコンセプトは十分に発揮出来ており、
見る者にとっても心地よい空間が構成されていました。

今年の夏には、大阪で小物の展覧会も予定されているようです。
卒業生の活躍は、在校生へのエールにもなり、少しまぶしくもあり、楽しみでもあり・・・・。 

 投稿者 : 陶芸専攻教員 伊藤均


 










  
おまけ情報です。青木さんには毎年、陶芸専攻の後輩たちに特別講義をしてもらっています。
昨年も9月に行われ、その模様は美専ブログでもお伝えしました。 詳細はこちら → 9月15日ブログ


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